お家でお花をいけるときに参考になる、ちょっとしたコツをご紹介。初めてのかたは頭の片隅にいれて、いけばなをやっているかたはこれは違うとつっこみをいれつつ!? 楽しんでいただければ幸いです
横浜山手西洋館での「花と器のハーモニー2023」の第21回特別展に行ってきました。
いけばなの七流派の家元・次期家元が、世界各国の食器とともに、いけばなを生けています。
素敵な洋館での、いけばなだったので、普通の展示会場よりも、普段の家でのいけばなの生けかたに、参考になるなーと思いました。
特別に好きだった、お花を中心に、お部屋のインテリアに映える生けかたは? という視点で、見てきた作品をご紹介します。
6月の横浜山手西洋館の庭は、紫陽花と薔薇が満開で、本当に幸せな気分になりました。
横浜山手西洋館に、学生のときにデートで来たことを思い出したりして、感傷に浸りながら(笑)、この庭の満開の薔薇と紫陽花の圧倒的な美しさに敵う、いけばななどあるのか? と会場に着く前に思いました。
まず目を惹いたのがガラスや、アクリルなど、透明の花器や素材を使ったいけばなです。
こちらは、古流松應会の千羽 理芳さんの作品です。ガラスから見える水が印象的です。
アクリルなど透明の花器や素材を使った作品です。未生流の肥原 慶甫さんの作品です。
草月流、勅使河原茜家元、ガラス作品です。
ブルーの壁に、水色のガラス花器、青紫の紫陽花、ブルーのグラデーションが美しいです。
紫陽花の丸いフォームと、ガラス花器の丸いフォームで、可愛らしい雰囲気ですね。
こちらも、草月流、勅使河原茜家元、ガラス作品です。
鏡の光と、ガラス花器&の水&光の反射で、部屋の一角がキラキラした空間になっていますね、
好きだった作品を見ると、アクリルやガラス花器や水で、光を反射させていました。
外と比べて、暗く&狭く、なりがちな室内では、光を反射させて取り込むことが、効果的なのですね。
多くの日本庭園には、池がある(西洋庭園には、噴水がある)というのは、自然+水(水の煌めきと光の反射)というのは、最強の組み合わせだからなのだろうなと、感じました。
窓の外の木漏れ日&緑と、光る青い水のコラボが、美しいですね。
アクリル板とアクリル棒と、グラスの、光を反射するコーディネートが素敵ですね。
田園調布の溝江画廊さんで玄関花をいけました。
今回は、紫陽花。
紫陽花は、わたしが愛してやまない小花の、集合体なので、本当に大好きなお花です。
もともと小花の集合体ですが、さらにまとめて入れてあげると、さらに綺麗です。
一番目立つ正面にかたまりとしてドンと紫陽花を入れています。
青の花は、菖蒲、ブルースター、デルフィニウムなど、意外と少ないので、屋外でも目立ちます。今回は、青い紫陽花を選んでみました。
反対色の黄色のオンシジウムを引き立て役に入れました。
紫陽花は、水揚げさえ成功すれば、1−2週間と、切り花長く持つ、この時期に貴重なお花なのです。
ただし、紫陽花は最初の水揚げが上手くいかないことがあるのですが、みょうばんをつけると、成功率が上がります。
紫陽花は、切り口にみょうばんをぜひ塗ってください。
みょうばんは、スーパーやネットなどで数百円で購入できます。
白い紫陽花が入ると、少しさわやかで明るめのイメージになりますね
今回使った、ドウダン(全面に入っている高い枝)も、とても長持ちします。この時期で、少なくとも1−2週間。もちろん水換えは毎日しましょう。
紫陽花は一輪をいけても、じゅうぶん存在感があって、とても可愛いです。
ドウダンなどのグリーンと、紫陽花をいけても、より色が引き立ちます。
梅雨の時期の風物詩の紫陽花、ぜひおうちでもいけてみてくださいね。
謹賀新年
お正月には、どんな器が相応しいのでしょうか。
お祝いと言うと、赤や、ゴールド、シルバーなどが思い浮かびますが
草月流、初代家元蒼風先生は、もともとは、まず第一に白磁をすすめています。
(白磁というのは、左のような白い磁器です。作例はお正月花ではありません)。
ちなみに陶磁器には、陶器と磁器があります。
磁器というのは、長石というガラスにも使われる成分が入っていて、高温で焼かれていて、叩くとカーンいう音がします。
磁器と言えば、ウェッジウッドや、ノリタケなどのブランドが有名ですね。
もともと、白磁は、格調高いイメージだったのですね。
先日は、暗い色の磁器を勧めましたが、白い器は爽やかな明るいイメージになります。
左の写真のように濃い目の鮮やかな色の花を入れると、白い器と対比がついて映えるのでおすすめです。
次に、青磁(青い磁器)。
白っぽい背景のわが家では、今年のお正月は、少し色を入れて青磁で生けていました。
単に、青磁が好きなだけですが 笑
ボケの赤と、青磁で、色の対比ができるので、少し華やかさをプラスしたいときにも、青磁はおすすめです。
また、青の反対色の黄色のお花を生けるときにも、映えます。
古くから中国でも愛された青磁は、爽やかで格調高く、お祝いなどにも使われる器になります。
そのほか、籠(かご)なども新春らしくていいそうです。
そのほか、銀、銅、銅、錫の金属製の花器。
お正月は、実家などに帰る機会も多いですから、古い花器を見つけたら、松などを生けてぜひお正月のお花にチャレンジしてみてください!
生徒さんの作品です。可愛いダルメシアン柄のダリアです
綺麗な赤と白い模様がおしゃれな雰囲気です。
灰色の花器と合わせて、明るい赤が目立つように生けています。
備前焼などの灰色や茶色などの暗い色の花器は、桜、ぼけ、バラなど明るい色や淡い白っぽい色のお花と合わせると
明暗のコントラストがつくのでお花が引き立ちます。
透けるような淡いピンクの桜のお花が綺麗なのは、ゴツゴツした濃い茶色の幹とのコントラストに引き立てられているから、と言ったらわかりやすいでしょうか。
夜桜が綺麗なのはあたりが暗いから。谷崎潤一郎の『陰翳礼賛』の世界ですね。暗い中でこそ明るい色や、光が生きてきます。
「われわれ東洋人はなんでもない所に陰翳を生ぜしめて、美を創造するのである」(谷崎潤一郎『陰翳礼賛』より)
光と闇という点から日本人の美意識を解いた、90年前の名著の精神は、お花をいけるときにも生かせますし、お正月の神社のたいまつの綺麗さでも、夜桜でも、日々の生活に息づいていて感じることができますね。
年末年始と、これから伝統行事などに触れることも多いシーズンですので、ぜひお花や日々に『陰翳礼賛』の世界を感じて楽しんで頂ければと思います。
お家でも、備前焼など、灰色や茶色など暗い色の器が一つあると、いろいろなお花と合わせやすいです。
黒い花器は、洋風のナチュラル系でまとめた白っぽいお部屋には少し印象が強くなるかもしれませんが、備前などのナチュラルな色はどのお部屋にも合いますので
普段のお花を生けるときに、ぜひ暗めの色の花器も、試して見てくださいね。
6月の8~22日、田園調布のみぞえ画廊の門前花にグラジオラスとパンパスを生けました。
花材:パンパスグラス・グラジオラス・びわ・カスミ草
初夏は、春よりお花が少なくなっています^^ 今回は真夏日の日も予想され、お花は傷みやすくなっています。でも真夏ではないので生花にもチャレンジしました。真夏では、2週間で程よい予算で、屋外に生花を生けるのはほぼ難しいです( ;∀;)
ドライのパンパスグラスなど、ドライの素材をとりいれ、暑くなってきた初夏でも花材持ちしやすく。
写真にはありませんが、週の後半はブルーベリーや、赤すぐりなど、もちのいい実を入れています!
今回の生ける際のポイント
●黄金色のパンパスグラス・オレンジのグラジオラス・琵琶の実で、黄色からオレンジの色のグラデーションに。
●カスミ草でふんわりと華やかな雰囲気をプラスする。
●大きな葉の琵琶で、グリーンに表情をつける。
●パンパスグラスをふわりと広げ、高さと、横幅、を出す♪
●花と葉のいれるところを分けて、メリハリをつける
グラジオラスは、下のほうから咲いていくので、傷んだ花はとります。先端も傷みやすいので、傷んできたらとります。今回は、傷むことが予想されたので前もってとっておきました。
バンダやモカラなどの蘭も先端のつぼみが傷みやすいし、とると表情がやわらかくなるので先端の莟みはとってもいいと、お花屋さんの友人から教えてもらったことを思い出しました(^^)
今回生けさせていただいた期間の前半には、大人気の小松孝英先生の個展を開催していました。少し拝見させていただいたのですが、琳派の流れを汲んでいるような作風で、繊細・華やかな作品にうっとり。今回の個展は終わっていますが、機会がありましたらぜひ足をお運び下さい。
11月の3~17日、田園調布のみぞえ画廊の門前花に桐(きり)を生けました。
花材:桐(花芽つき)・ドウダン・百合・ひば
秋は、ささげ・びわ・柿・かりんなど、実などお花以外もおもしろい形の素材が充実しています。
実つきの枝を高く生け主役にしようと思ったのですが、手に入ったのは、すごく立派な桐の花芽つきの枝。
近所の家に桐の大木があり、秋の実のある風情が素敵だな~と思っていたのです。
生けてみてさらに気に入り、家に植えたいと思ったのですが、すぐに桐は大木になるそう。新しい素材を生けるたびに家の庭に植えたくなるので困ります^^
今回の生ける際のポイント
●とにかく桐の高く、枝振りを生かしていける!広い場所では高さや大きさがあると映えます。(お花屋さんにも桐を高く生けてね♪とお言葉をいただきました!)
●黄土色の桐の芽に、淡いピンクの色合いのゆりをたっぷり入れて、やわらかい雰囲気に
●赤く紅葉したどうだんであざやかな色彩をプラスする
●奥に赤の反対色の緑のヒバをいれて、色のめりはりと奥行きをだす
実はなにより2週間お花をきれいな状態に保つためには、枯れたお花をとってきれいなお花を正面にむけたりと日々のこまめで地味な手直しやお手入れが一番大事ですね^^
3月の17~31日、田園調布のみぞえ画廊の玄関花に桜(陽光)を生けました。
花材:桜(陽光)・あせび・ストレチア
自分の雅号にも桜を使っていまして、桜が大のお気に入り。
ですが桜は満開になると、すぐに散ってしまうので玄関花には使いづらい気がしていました。、
今回はお手入れにわりと頻繁に行けるので桜(陽光)を生けました。
桜を生ける際のポイント(今回の)
●桜のピンクの反対色に近い緑(今回はあせび)をいれ、あでやかに
●桜の枝が長いと、華やか!
●主役(桜)の分量を、全体の花材の分量に対して大目にたっぷり入れる
●ポイントに、少しだけ違う色をいれてもキレイ(今回はオレンジのストレチア)
桜も寒い時期は、つぼみから生けると持ちがいいです。八重桜はソメイヨシノより持ちがいいそうです。(今回はつぼみの桜を用意して二週間持ちました)
外でソメイヨシノが咲いているときは、いけばなにするにはソメイヨシノ以外の花がいいと思います。もちろんプライベートな場では、ソメイヨシノが外で満開のときに室内で生けても、楽しめると思います!
水をみせる作品です。
模様のないガラスの花瓶に、ガラス部分にになるべく枝をださないように生けます。
どうしても水に枝がでてしまうときも、写真のように、最低限の細い枝だけに。
水が作品の一つのパーツとして、楽しめます。
花材: テッセン・柳・ビバーナム
いけばなやアレンジメントにつる状の枝を使うと作品に動きがでます!
キウイ・フジ・あかづるなどが手に入りやすいです。写真のつるは、あかづるです。
つるは、曲線をもっているので、作品がやわらかな・あたたかい雰囲気になります。
花材:丸葉ユーカリ、モカラ、デンファレ、蘭、赤づる
花材: あかづる・オンシジウム・ラン・クリスタル
壁際に、作品をつるしています。
ピクチャーレールなどがあって天井からお花をつるせるお家では、ぜひつるす作品を。いつもと違った軽やかな作品になります。
ランは、透明のピックにお水をいれて、フラワーワイヤーでとめてあります!
姫ミズキを、花のある部分と、枝の太い部分、この二つに分けてから生けました。
姫ミズキを、パーツごとにわけることで、そのお花の持つことなる魅力(花のある部分の可憐さと、太い枝の部分のナチュラルな魅力)を、さらに強調します!
田園調布 みぞえ画廊のお迎え花を、9月17日~10月2日まで二週間ほど担当させていただきました。
花材 ●ピンクッション ●むべ(実) ●あじさい ●あかづる
9月でも今年は暑さかなり厳しかったです。暑さに負けないお花
●ピンクッション(オレンジのとげとげのお花)をつかいました。
秋に出てくる実ものも、可愛らしさがあってまだまだ暑い時期に活躍します。今回は●むべを使いました。あしびの仲間です。
それでもお水をまめに替えていただき(水の中の菌の繁殖を防ぐため)、あじさいをシュロチクに交換したりして、なんとか二週間もちました。
なんと最終日に行ってみるとむべの実が減っていました、
なぞですが、むべの実がそんなに人気だったのでしょうか・・・。
その他前回のみぞえ画廊の迎え花つかった
●キングプロテア
なども長持ちします!
暑い時期には、ぜひピンクッション・キングプロテアや実ものなどを楽しんでみてくださいね!
花材:ディアボロ・小菊・バラ
生徒さんの作品です。草月流の基本形の形になります。
生徒さんに、お花の選び方を聞かれました。自分になりの方法をまとめてみました。
1 お花を手に取って合わせてみる
自分で手にとれないお花屋さんでは、お花屋さんに合わせてもらいます。
2 頭の中でイメージしてみる
実際には、手にとるとお花がいたみます。そこでまずは頭のなかでイメージして、最終的にいいと思ったものをいくつか実際に合わせてみましょう。
3 好きなお花の組み合わせパターンを、覚えておく
自分の好きなお花のパターンがわかると1と2の作業が、楽になります。素敵だなと思ったお花の組み合わせがあったら、お花の名前や色・種類を覚えておこう。できたら写真をとっておくのも◎
4 趣味のあうお花屋さんで、買う、相談する
好みのお花屋さんがあれば、花屋さんに任せっぱなしにするかたも多いかもしれません。自分で選ぶときにも、趣味の合うお花屋さんで選ぶと選びやすいです。相談してみると、新鮮な組み合わせができることもあります。頼りすぎると自分のイメージと違いすぎてしまう場合もありますが(笑)
3月5日から2週間、田園調布のみぞえ画廊さんの玄関のお花を生けました。
花材:姫つばき、トサミズキ、プロテア、雪柳、ストレチアの葉
テーマは、ちょっと乙女な日本邸宅
丸くて淡いピンクのプロテアと姫椿で乙女感をだしました。立派な日本邸宅の玄関、ちょこっと乙女っぽくしてみました。
この後、前のいけこみをしたかたにいただいた、雪柳がどんどん咲いて華やかになりました。小花もなかなか乙女な雰囲気かも。春には小花をどんどん使いたいなと思いました!
あなたもジンドゥーで無料ホームページを。 無料新規登録は https://jp.jimdo.com から