57の流派(2018年度)が集ういけばなの祭典、『いけばな × 百段階段』が、目黒のホテル雅叙園東京で、毎年秋にあります。
いけばなの流派の特徴を知ったり、流派を選ぶときに、ももってこいですので、レポートさせていただきます!今回は、草月流・池坊・小原流の三大流派編。
文化財「百段階段」の各部屋には、螺鈿細工、組子障子、美人画の大家、鏑木清方をはじめ、昭和を代表する日本画家の作品がしつらえられています。その部屋に生け花が生けられています。
どの場所にいけるかというのは、素敵なお花をいけるためにとても大切です。草月流では、『場にいける』というカリキュラムがあります。まさにいけばなにとって最高の場所、文化財「百段階段」での、華麗ないけばなの様子をご紹介!
We have big ikebana event in HOTEL GAJOEN TOKYO in every fall. this is about that event.
三大流派、のうちまずは、草月流の作品からご紹介。わたしが属していますので(^^♪
ホテル玄関前の草月流のお家元の作品です。紙がつかわれていて、紙の立体的なオブジェがいきもののようで素敵です。そのほか流木(海岸に流れてきた木)もつかわれています。
こういった植物以外の素材も使ったり、の植物を加工したものも使うが草月流の一つの特徴です。紙は植物を加工したものなので、いけばな作品にも合いやすいですし、やわらかな独特の風合いがプラスされます!
さらに紙のオブジェの中を照らすことで光を演出の一つに取り入れています。草月流は植物以外の素材を使ったりアート的な要素も強いため、ディスプレイや、舞台美術にも向いているといわれるます!
実ものも使っていて、まるくて全体的に曲線が多くて、流木の素材感もかんじられ、自然の癒しを感じます。
お気に入りの作品を改めてみてみると、花材の素材感(ぼこぼこした、つぶつぶした、つんつんしたなどの質感)を生かした作品が多いようです。草月流では、「花と語らう」といってその花の独自の魅力を最大限に引き出すことを重視しています。
草月流は、昭和2年、華道家の子どもでいけばなの手ほどきを受けた後、『型』どおりにいける今までの生け花に疑問をもった勅使河原蒼風によって始まりました。形より花材ありきですので、展示会でも、その花材の独自の質感や特徴がより感じられるお花が多いようです。
玄関前のお家元作品です!作品の下の部分が黒く、床も黒いので、お花や実が空中にういているような感じもうけるような、神秘的で存在感のある作品です。細い曲線が、作品のあちらこちらに見られ、繊細で、美しいですね。
細い曲線や噴水型の形は、池坊の作品の大きな特徴かもしれません。
他の作品も植物の線を生かした噴水型の形のものが多いですね。
室町時代に、池坊の立花師は、座敷の飾り付け『たて花』や『立花(りっか)』という花の形をつくり、東山文化での茶の湯や江戸の初期に隆盛を誇っています。
池坊では、自由に生ける花もありますが、『立花』・『生花』・『投入花』など、『型』の決まったお花が展示会でも多いです。草月流は、『型』の決まったお流儀花は初心者のときに学んで、展示会で『型』のお花生けることはほぼなく、自由花を生けます。
池坊の古典花・お流儀花といった『型』のお花は、まさに、こういった畳や障子のある伝統的な日本の建築の中で映えますね!
↑池坊の定型の形
小原流の玄関前の家元のお花です。小原流の特徴に、展示会で箪笥の上に生ける、多肉植物をよく使うなどがあります。お稽古ではどうなのかはわかりませんが。以前、家元の個展を見に行ったときにも多肉植物をたくさんいけていました!
盛り花を始めたのが小原流です。展示会でも盛り花もいけられています♪箪笥の上には、決まった『型』でつくったようなお花もありますね。
小原流の自由花は、自由花でもすこし型にもとづいた決まりがあると聞いた気がします。草月流が自由なお花をつくることが多い流派だとすると、池坊は『型』の決まったお花寄り、小原流は自由と『型』の決まったお花両方で草月と池坊の真ん中だと、言われますが、展示会でもそのような傾向がみられますね♪
↑小原流が、欧米のアレンジメントの影響をうけて、つくりだしたといわれる盛り花の形
草月流の、一番の特徴は個性を大切にし、自由な表現をもとめている点にあります。
日本古来から続いてきたいけばなには、型と言われるものがあります。その時代の最先端の花師たちがつくってきた、またはその流派の創始者が作った、一番美しいとされるお花の形です。
多くの流派はこの立花・生花・投げ入れ花など呼び方は流派によってさまざまですが、型(お流儀花・古典花)を学ぶことがメインになっています。
展示会でも、他の流派では、型(お流儀花・古典花)の作品が多く出品されます。草月流では基本の型は、通常の展示会ではほとんど出品されていません。
いけばな展で他の流派の型(お流儀花・古典花)の作品を見ていると、とても美しいと思うのですが、昔のどなたかが作ったお花の型を完璧に再現しその中で自分を表現するのではなく、自分自身で考えた形をつくるのもやはり楽しいのではないのかなと、わたし自身は感じます。
もちろん、昔のどなたかが作ったお花の型を完璧に再現しその中で自分を表現するのも、とても楽しいことです。ただ草月流では、古典的なお流儀花(型)だけではなく、古典的な美の心を生かしてそれぞれのお花や場所ににあう美の形をつくることも、学べます。
草月流では、
●まず初めに1年程度(40回)この型を学ぶことで、お花の扱い方・日本的な古典的な美のバランスを身につけます。
そのうえで
●2年程度(70回)自由花のカリキュラムを学びます。
この2年程度(70回)の『自由花』のカリキュラムが、草月流の1番の特徴かと思っています。色・繰り返し・直線・曲線など、自由花に生かせる要素に一つひとつフォーカスして、だれでも自由に素敵なお花を生けられるようにデザイン的なことを学びます。
他の流派さんでも、自由花をとりいれている流派さんは多いかと思いますが、2年程度(70回)のカリキュラムで自由花のデザインを体型的に学べるところはあまりないように思います。また流派によっては自由花でもなにかと制約が多かったりする場合もあるようです。
草月流では、最初に『型』を学ぶ日本的な美の感性を学んだ上で、体型的に自由花を学んで頂けます。
以前息子のクラシックバレー教室を選んだときのこと。そこまで本格的にやらせるつもりはなかったのですが、リーズナブルでどうせならやはり上手な先生に教えていただければと探していました。欲張りなのですが(^^♪
調べてみると、毎月のお月謝の他に、発表会費(5~10万円)・父母会費(光熱費やお歳暮など、月千円程度)・など、ホームページには載っていないお月謝以外の費用がいろいろかかります。さすが女の子の人気の習い事ですね!
生け花も、いわゆる三大流派、草月流・池坊・小原流でも、流派やお教室によって、お月謝があ
まり変わらないようでも、数年単位でトータルでみるとかなりかかる金額も変わってきます。お教室によってはかかることもある、お月謝以外のお金を少し頭に入れておくと安心。
いけばなの流派によって、階級の多さなどによって、師範(教えられる階級)になるまでの金額も変わってきます。一般的には、お免状も申請することが多いかと思いますので、生け花の、数年単位でみると一番トータルに費用を左右するのが、お免状申請費用です。階級の多さや申請費用をしっかりチェックしておくと安心です!
ちなみに草月流は、大きな流派としてはお免状の申請は、費用が比較的リーズナブルです。
【お免状をとる場合】
●お免状の申請費用
【お教室による】
●いけばな雑誌の購読料
●お教室の文房具代
●先生の花展のチケット代
【伝統的なお教室では】
●旅行のお土産
●お中元・お歳暮(年1万程度)
当アトリエでは、お教室の文房具代などはレッスン料に含まれていますし、その他にもご本人のご希望がなければ特に発生するものでもありませんが、お教室によってまちまちですので、こういった費用は、流派やお教室によってかかる費用も変わってきます。もちろん本人が希望しなければまったく発生しない場合も多いかと思います。
お花が楽しくなって少し上手になると、花展に出品したり、花器を揃えたりしたくなってきたりします。
花器については生徒さん次第でご自分のご希望で楽しくそろえていってというお教室が多いかと思いますが、花展につきましては、流派によっては、出品する際は高級な器が一般的だったり、骨董品の上に花を飾ったりといろいろなスタイルがあります。
流派によっては、高級な器が一般的だったり、骨董品の上に花を飾ったりといろいろなスタイルがあります。
各教室の体験授業の他に、本部主催の花展に行ってみると、流派の特徴や雰囲気がある程度わかります。流派全体の雰囲気なども少しつかめるかもしれません!
息子のクラシックバレーのお教室選びでもそうでしたが、感性や相性が大切なので、もちろんいけばなのお教室選びも、かかる費用が少ないから満足とかではないですね。お教室を選ぶ上では、『先生』と『流派の特徴』が、特に大切かと思います。ですがリーズナブルだと、続けやすいです(^_^;)
選ぶ流派やお教室によって、お月謝以外の費用がかなりかわってきますので、楽しく続けるためにも、事前に調べておくことをおすすめします♪
いけばなの三代流派に、池坊・小原流・草月流があります。流派ごとの特徴が語られるときに、草月流は、比較的自由で、アートよりな流派だと紹介されることも多いです。
クリエイティブなことをを好意的にとらえらる一方、「自由だと、どういけたらいいのかわからない!」と心配されるかたも多いかと思います。
「美術得意でもなかったけれど、アートぽい草月で大丈夫?」そんな疑問にお答えします!
実のことろ「アートなセンスに自信がないけれど大丈夫?」という心配は、あまりいらないかと思います。というのは草月流では「花と語りつついける」ということを大事にしています。花木の形や色、器の形や色、周囲の雰囲気などで、そのお花に合った生け方をさぐっていきます。個人のセンスだけでなく、お花や枝の美しさがまずあって、作品が生まれます。
1から自分で創造することの多いアートの世界とは、また違っています。素材があって、作品があります。どちらかというと、お料理の世界に通じるところがあるかと思います。お料理も、新鮮なで豊かな食材を使うことがとても大事ですよね。お花もまずは、素材を探しがとても大事。
ですので、学生時代美術が特に得意ではない、心置きなく取り組んでいただければと思います。手先が器用ではないかたも、すごく細かい作業ばかりでもありませんので丁寧に取り組んでいただければ大丈夫。
たとえば料理が得意になることの条件は、いろいろあるかと思いますが、まずは食べることが好きで、いろいろ美味しいものを食べることだと思います。「食いしん坊」であることが、まずは大事!
ですのでいけばなも、お花が大好きな人であれば、どんどん上達していきます。自然・美術・工芸品など、美しいものを楽しむことが、さらなる上達につながっていきます。
古来より決まった形ですと、その素材の美しさを最大限にいけることが難しいことも。草月流では、基本形を終えた後は、自由に生ける部分が大きいですので、一人一人個性・センス・で、「このお花のどこが美しいのか」を考えていただき、花のもつ美しさを最大限に生かしてお花を生けられます。
お花の美しさをどう生かすの?と思われたかたはこちら
長細く、比較的温暖で(最近は熱帯化していますが・・)四季がはっきりしていて、一つの国としては比較的多くの種類の花を楽しめる日本。
古代~ 飛鳥、奈良、平安、鎌倉時代には、「花を愛でる、飾る」「神の依代」「供花」など、いけばなの基礎となることが発展していきます。
The origin of ikebana is from Buddhist practice and Shinto
We would recognize it at 14th century.
奈良時代の『万葉集』や、平安時代の『古今和歌集』『枕草子』などには、
花にまつわる和歌が詠まれていたり、花を飾る習慣があったことが書かれています。
「久方の 光のどけき 春の日に しづ心なく 花の散るらむ」
-紀友則(古今和歌集・平安時代)
「人はいさ 心も知らず ふるさとは 花ぞ昔の 香ににほひける」
-紀貫之(古今和歌集・平安時代)
神道では、『人と自然と宇宙の融合』といった自然崇拝が信仰の中心にあります。
森羅万象(人間が想像可能なありとあらゆる事象)に神が宿るとして山・巨大な石や木に特別な意味もたせていました。緑色を絶やさない常緑樹や、樹木を神が依るとして、依代として信仰していました。
神事で榊(さかき)お祓いをしたり、正月に門松を飾るのも、依代の意味合いを持っています。
スピリチュアルな場所として、旅行先や休日に神社などに行くことがレジャーの1つになっていますが、樹木に囲まれた参道など緑の中を歩くことによって、自然の中に身を置くことが神道の大事なポイントなのですね。
●仏に花を備える Buddhist practice
6世紀に、仏教が日本に伝わってきました。
供花(くげ)といって、仏に花を供えるようになりました。
華厳経や法華経など、経典の名前に華(花)という字があるよう、仏教と花は深い関わりがあります。仏教が生まれたインドに多い蓮の花などが仏教装飾に使われていたりします。
仏教の中でも、後に室町時代に発展した禅宗は、禅の教えの真髄は、己を捨てて自然ととけこむこと、「人の中の自然」「自然の中の人間」との間の究極の調和をもたらすこととされています。
禅の影響は大きく、「自然本来の姿を体得する修行」が発展していき、茶道・華道・水墨画・能・枯山水庭園といった日本文化につながっています。
今も昔も自然のものや緑と関わったり見たりすることで心が安らぐのは変わらないことで、禅の教えの大きな部分で、わたしたちは今もその影響を受けているのですね^ ^
【室町時代】
武士の住まいとして書院造りの建物が作られるようになる。床の間の前身の押し板の場ができ、仏に花・香・灯明をささげるための三具足(花瓶・香炉・燭台)が飾られていました。
公家や武士の行事のために、格式のある花が求められるようになり、たて花といういけばなの様式が作られる。将軍家に努める同朋衆と呼ばれる僧侶の芸術家集団が、たてばななどの座敷の飾り付けを行っていた。
たて花は、2・3本の草木でつくるシンプルないけばな。主な花材をたてることが重視されており、副素材は足元に添えます。
このたて花の名手が池坊専応で、池坊の名を最初に広めた。
東山に銀閣寺を建てた、第8代将軍足利義政。中国から美術工芸品を輸入したり、いけばなや茶の湯の東山文化を築き、いけばなの発展にも、大きな役割を果たしました。
【安土桃山時代~江戸時代】
安土桃山時代になり、建築が豪壮になるにつれて、座敷飾りのたて花もデコラティブで立体的な立花に発展しました。
室町後期から茶の湯が盛んになり、千利休の茶の湯の大流行とともに、池坊専好の立花が人気となりました。
立花が人気となり、武士・僧侶・公家だけでなく、町人にも広まる。池坊から分かれた立花師が活躍しました。
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